HP・チラシ・求人・SNSの外注費をゼロにした100日間:AI社員導入の実録
飲食・イベント業の企業が、毎月数十万円かかっていた外注費をAI社員導入から100日で実質ゼロにした記録。何を・誰が・どの順番でやったかを包み隠さず書く。
この実録の要点
- 外注費は月ごとに積み上がる「見えない固定費」。気づいたとき既に年間数百万円規模
- 最初に内製化すべきは動画・SNS投稿。制作工程がシンプルでAIとの相性が最高
- HP更新とチラシ制作は『型』を作れば2回目以降はほぼAI完結
- 求人原稿は最も即効性が高い。掲載タイミングを逃さなくなるだけで採用スピードが変わる
- 100日後の実測:月次固定費の7%削減、動画制作コスト80%減
出発点:外注費の棚卸しをしたら驚いた
今回の案件の出発点は、クライアントの経理担当者が「毎月何にいくら払っているか分からなくなってきた」と言い出したことでした。飲食店の経営とイベント企画を展開している会社で、従業員23名。それなりに業績は安定しているが、なぜか手元資金が思ったより増えない。
ヒダネで試算したところ、毎月の外注費の内訳はこうなっていました。
- ▸SNS投稿制作(Instagram/X):1本5,000〜8,000円 × 月8〜12本 = 月4〜10万円
- ▸HP更新・バナー制作:都度発注 月平均3〜5万円
- ▸チラシ・フライヤー制作:イベントごと1〜3万円 × 月2〜4回 = 月2〜12万円
- ▸求人原稿(求人サイト向け):1原稿3〜5万円 × 不定期
- ▸合計:月あたり10〜30万円(繁閑で振れ幅大)
導入方針:いきなり全部やろうとしない
AI社員導入でよく聞く失敗は「全部一気に変えようとして何も定着しない」パターンです。ヒダネがこの案件で決めたのは、効果が出やすい順番で段階的に移行すること。
優先順位の基準は3つ:①外注コストが最も高い、②社内スタッフが既に素材を持っている、③制作サイクルが短い(週次・日次)。この3つを満たすものから始める。
- ▸1st:SNS投稿制作(動画・画像)→ 素材は店内・現場にある。AIが構成・テキスト・編集を担当
- ▸2nd:チラシ・告知物 → Canva×AI社員で型化。2回目以降は15分で完成
- ▸3rd:HP更新・バナー → テンプレートを作れば更新はほぼAI完結
- ▸4th:求人原稿 → 媒体別フォーマットをAIに記憶させる。掲載ラグがゼロに
Day 1〜30:SNS投稿の内製化フェーズ
最初の1ヶ月は社員6名を対象にAI研修を実施しました。スマホで撮影した動画・写真を使って、投稿テキストとハッシュタグをAIが生成し、編集テンプレートに流し込む工程を体験してもらいます。
初回研修後の変化は想定より早かった。研修翌日に初投稿が出た。クオリティはまだ荒削りでしたが、『自分たちでできる』という実感が生まれたことが大きかった。
- ▸投稿頻度:週1〜2本 → 毎日投稿(週7本)に増加
- ▸制作時間:外注時は依頼〜納品3〜5日 → 当日投稿が可能に
- ▸1本あたりコスト:5,000〜8,000円 → ほぼゼロ(AI利用料のみ)
- ▸エンゲージメント:投稿頻度増加で自然フォロワーが増加
Day 31〜60:チラシ・HP更新の型化
SNSが安定してきた2ヶ月目に、チラシとHP更新の内製化に着手しました。ここで一番時間がかかったのは「型の設計」です。一度型を作れば以降はAI社員が担当できますが、最初の型設計はヒダネ側が主導しました。
チラシはA4・A5・SNS投稿用の3サイズを統一テンプレート化。Canvaのブランドキットを整備し、色・フォント・ロゴ配置ルールをAI社員に記憶させました。HP更新はCMSの操作フローをプロンプトに書き込み、担当スタッフが変わっても同じ出力が出るように設計。
- ▸チラシ制作:外注1〜2週間 → 当日完成(素材さえ揃えば)
- ▸HP更新:外注3〜5日 → 即日反映
- ▸制作コスト:月3〜17万円の外注費 → ほぼゼロ
Day 61〜100:求人原稿の内製化と最終集計
3ヶ月目に取り組んだのが求人原稿です。ここが想定外に効果大でした。今まで「求人を出したい」と思っても外注依頼から原稿完成まで1〜2週間かかっていたため、採用タイミングを逃すことが多かった。
AI社員に媒体別のフォーマット(Indeed・バイトル・自社サイト)を学習させ、「職種・条件・アピールポイント」を入力するだけで5媒体分の原稿が即日完成する仕組みを構築しました。
- ▸原稿制作:外注1〜2週間・1本3〜5万円 → AI社員が当日作成・コストほぼゼロ
- ▸掲載サイクル:月1〜2回 → 必要に応じて即時掲載(3倍以上に)
- ▸採用リードタイム:平均6週間 → 4週間に短縮(応募タイミングが増えた効果)
100日後の実測値
定量的な成果として確認できた数字をそのまま記録します。これはヒダネが経営者から直接確認した数字です。守秘義務に配慮してクライアント社名は掲載していません。
- ▸月次経費削減:全体経費の5〜7%(外注費がほぼ消えた)
- ▸動画制作コスト:外注比で80%減
- ▸SNS投稿頻度:週1〜2本 → 毎日投稿
- ▸HP更新・チラシ外注費:ゼロ化
- ▸求人掲載サイクル:月2回 → 月6回以上に
このアプローチが有効な会社の条件
全ての会社に同じアプローチが効くわけではありません。ヒダネが判断した「AI社員による外注費ゼロ化が機能しやすい条件」を正直に書いておきます。
- ▸現場に素材が豊富にある(飲食・サービス業・スポーツ系はほぼ当てはまる)
- ▸制作物の種類が多いが、構造は似ている(毎月チラシ・毎週投稿・都度求人など)
- ▸外注ごとの修正コミュニケーションがストレスになっている
- ▸社内に『やってみたい』スタッフが1名でもいる
- ▸従業員数が5〜100名(大企業は別の設計が必要)