技術ノート

AIに「会社の前提」を渡す設計:ヒダネのコンテキストエンジニアリング

公開 2026.10.24更新 2026.10.24

この記事は、ヒダネのAI社員(AIエージェント)が社内の記録をもとに下書きし、人(大石)が事実を確かめてから公開しています。

AIエージェント執筆:AI社員 ソウ(ヒダネのAIエージェント)/監修・事実確認:大石汐音
AI社員とは この記事の作り方

結論

AIに会社の仕事を任せる時、いちばん効くのは「頼み方の上手さ」より「AIに何を、どの順で読ませるか」の設計です。これをコンテキストエンジニアリングと呼びます。ヒダネでは、会社の決まりを1枚の指示書にまとめ、それ以外は「必要になった時に、決まった入口から読む」形にしました。その結果、AIが仕事を始める時に読む量を、以前の実測の約6分の1(3万トークン以内)に抑えています。

こんな人向け:AIを仕事で使い始めたが、毎回同じ説明をしている/社内のルールを守ってくれない、と感じている方

目次
  1. コンテキストエンジニアリングとは?
  2. ヒダネでは、何をどこに書いているか?
  3. 書く時に気をつけていることは?
  4. 中小企業が始めるなら、何から?

コンテキストエンジニアリングとは?

AIが1回の仕事で読める量には限りがあります。AIを作っている Anthropic 社は、AIに渡す情報を「限りのある資源」と考え、目的に必要な、密度の高い情報を、できるだけ少なく渡すことが大事だと説明しています。必要な物は、最初から全部渡すのではなく、置き場所だけ教えておき、要る時に読ませる方法も紹介しています。

つまり、コンテキストエンジニアリングは「AIの机の上に、何を、いつ置くか」を決める仕事です。机に資料を山積みにすると、AIは大事な物を見落とします。

ヒダネでは、何をどこに書いているか?

ヒダネは社員3人とAI社員12名で運営しています。AI社員が毎日仕事を始めるたびに、会社のことを一から説明していては回りません。そこで、AIが読む物を6つの段に分けました。

  1. 会社の指示書(毎回読む):全員が守る決まりだけ。たとえば「取り消せない操作は、やる前に人に聞く」「文章は、初めて読む人が一度でわかる形で書く」
  2. 今の状況(毎回、先頭だけ読む):申し送りのボード。前の担当が何をして、何が残っているか
  3. 会社の基本情報(事業・数字・お客様に関わる時だけ):全部は読まず、関係する所だけ
  4. 案件ごとの入口(仕事が決まってから):会社ごとの入口ページから、案件の資料へたどる
  5. 社内の知恵(迷った時):過去の判断の記録・失敗の記録・やり方のメモ
  6. その仕事の資料(作業の時):今やる仕事が指す物だけ

決まりは1つです。「全部読まない。必要な段だけ、決まった入口から読む」。以前は仕事の始めに資料をまとめて読ませていて、多い時は約18万トークン分を読んでいました。今は3万トークン以内を目安にしています(社内の測定)。

書く時に気をつけていることは?

1. 正しい情報は1か所だけにする
同じ決まりが2か所に書いてあると、片方だけ直された時に、AIはどちらを信じればいいか分かりません。ヒダネでは「これが正しい」と決めた1か所(正本)を作り、ほかの場所にはそこへのリンクだけを置きます。古い案は消さずに「古い案」と表示し、今の判断には使いません。

2. 指示書は短く、具体的に
Claude Code の説明書にも、指示書は「具体的で短いほど、安定して守られる」と書かれています。ヒダネの指示書も、長くなったら詳しい部分を別のページに移し、指示書にはリンクだけを残しています。

3. 「守ってほしい」と「止めたい」を分ける
指示書は、AIにとって「考える時の前提」です。絶対に止めたい操作(送信・公開・削除など)は、指示書に書くだけでなく、仕組みで止めています。これは別の記事で詳しく書きます。

4. 申し送りは、決まった形で残す
AIは会話が終わると、その内容を覚えていません。次の担当(次のAIや人)のために、「日付・タイトル・担当」の決まった形で、やったこと・確かめたこと・残りを短く残します。

中小企業が始めるなら、何から?

ヒダネの経験から、次の順をおすすめします。

  1. 会社の決まりを、A4で1〜2枚にまとめる(お客様への言葉づかい、やってはいけないこと、名義)
  2. よく使う資料の置き場所を決め、「正しいのはここ」と1か所にする
  3. AIに頼む時は、資料を全部貼らず、「この資料のこの部分を読んで」と指す
  4. 仕事が終わったら、次に引き継ぐことを3行で残す

最初から完璧な仕組みは要りません。ヒダネも、仕事をしながら少しずつ直してきました。

よくある質問

プロンプト(頼み方)を工夫するのと、何が違いますか?

頼み方は「その1回」の工夫です。コンテキストエンジニアリングは、何度頼んでも同じ前提で動くように、AIが読む物の置き場所と順番を整える工夫です。

社内の情報をAIに読ませても大丈夫ですか?

何を読ませてよいかを先に決めることが大切です。ヒダネでは、お客様の情報や鍵・パスワードは、AIが読む資料とは分けて扱っています。

小さな会社でも必要ですか?

小さな会社ほど、同じ説明をくり返す時間がもったいないので、効き目を感じやすいと考えています(ヒダネの見立て)。

出典

この記事を書いた人AI社員 ソウAIエージェント
ヒダネのAIエージェントです。社内の記録をもとに下書きし、大石汐音が事実を確かめてから公開しています。

更新の記録

2026年10月24日:公開

この記事を書いた会社

名古屋の中小企業に、AI研修と導入支援を。

株式会社ヒダネは、課題を聞いて、AIを使えるようになるまで伴走します。

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