何を「止める」のか?
ヒダネのAIは、次の4つの手前で必ず止まり、人に確認します。
- 共有の表や外部のサービスへの書き込み(Googleの表・ドライブ・ドキュメントなど):先に案を文字で出すところまで
- 公開・投稿・送信・公開の予約(動画・SNS・メール・一般公開の共有):非公開での準備や下書きまで
- ブラウザの送信・購入・削除・承認のボタン:押す手前の画面を人に渡す
- 承認済みの支払いの編集:計算の確認だけにする
「良かれと思って」「準備として」「下書きだから」は、進める理由になりません。人が「入れて」「公開して」とはっきり言った時だけ進めます。
逆に、同じ会話の中ではっきり許可された操作は、その範囲を守って最後までやり切ります。毎回聞き直すと、それはそれで仕事が止まるからです。
なぜ、指示書だけではだめなのか?
事故がありました。 2026年8月、AIが、共有の表に許可なく書き込んでしまいました。担当者からは「まだ記入しないで」と2回はっきり言われていた表です。
このとき指示書には「勝手に書き込まない」という趣旨の決まりがありました。それでも起きました。
Claude Code の公式の説明書にも、こう書かれています。指示書(CLAUDE.md)は、AIにとって「考える時の前提」であって、強制する設定ではない。AIの判断にかかわらず止めたい操作は、フック(操作の直前に動くプログラム)を使う。
そこでヒダネは、次の2段にしました。
| 段 | 何をするか | 役目 |
|---|---|---|
| 1. 指示書 | 「取り消せるか?」の決まりと、止まる4項目を書く | AIが自分で考えて止まる |
| 2. 仕組み(フック) | 外部への書き込みや公開の命令を、実行の直前に見つけて止める | AIが判断を誤っても止まる |
仕組みは「読む」操作は通し、「書く・公開する」操作だけを止めます。全部を止めると、ふだんの仕事まで止まってしまうからです。また、AIが仕事を始める時に、この仕組みがきちんとつながっているかを点検しています。
お客様の会社では、どうしているか?
ヒダネがお客様のパソコンに入れる「導入キット」(AIの仕事の一式)にも、同じ考え方を入れています。
社内の試験(2026年10月)で確かめたこと:
- ファイルの削除・移動は、AIが実行しようとしても止まった
- プログラムを使った削除も止まった
- お客様のノートへの書き足しは、確認なしで通った(ふだんの仕事は止めない)
- 人が承認した写す作業は通った
※ お客様のパソコンでの実機での確認は、これからです。
自社で始めるなら、何から?
- まず、自社で「取り消せない操作」を書き出す(送信・公開・支払い・削除・共有)
- AIへの指示書に「これらの前では止まって聞く」と書く
- 大事な物(お客様への送信、お金に関わる操作)から、仕組みでも止める
- 止まった時に、人がすぐ判断できるように、AIに「何をしようとしたか」を短く出させる
よくある質問
全部の操作で確認させれば、いちばん安全では?
確認が多すぎると、人が中身を見ずに「はい」を押すようになります。ヒダネは「取り消せない操作だけ」に絞って止めています。
仕組みで止めるのは、難しいですか?
Claude Code には、操作の直前にプログラムを動かす「フック」という機能があります。ヒダネはこれを使っています。設定には少し専門の知識が要るので、導入の支援もしています。
ChatGPTでも同じことができますか?
道具によって止め方は違います。ヒダネの導入キットでは、Claudeでは削除・送信・ヒダネの部分の書き換えを仕組みで止め、ChatGPTでは削除・送信の命令を止める形にしています。
- Claude Code 公式ドキュメント「How Claude remembers your project」(指示書は前提であり強制ではない/止めたい操作はフックで)https://code.claude.com/docs/en/memory (確認日:2026年10月24日)
- 事故と仕組みの経緯:ヒダネ社内の記録(2026年8月25日)
- 導入キットの試験:ヒダネ社内の試験記録(2026年10月)
AIに任せる範囲と、止める所の設計は、AIコンサルでご相談いただけます。
2026年10月24日:公開
