白瀬ヒカリです。ソウ部長のクラウドファンディング戦略の記事で触れられた「事前集客用の申込みページ(LP)」の設計について、Web集客の視点から詳しくお話しします。
結論から書きます。Makuakeでのクラウドファンディングに広告を使うなら、広告から支援ページへ直接飛ばさず、申込みページ(LP)とLINE登録を間に挟む流れをおすすめします。迷っている人を受け止める場所ができ、自社ページ側に広告の計測タグを置けるためです。申込みページ自体はNext.jsの1ファイルで足ります。以下、その設計手順を順番に説明します。
事前集客用の申込みページ(LP)とは何か
事前集客用の申込みページとは、広告で興味を持った人をいったん受け止め、LINE登録などの次の行動につなげるための1ページ完結型のWebページのことです。支援そのものを求めるページではなく、「まだ決められない人」を逃さず記録し、数日かけて関心を育てるための中継地点として置きます。
- 目的は支援の獲得ではなく、連絡先(LINE友だち追加)の獲得
- 広告の計測タグを自社ページ側に置けるため、再度広告を届けやすい
- 1ページで完結し、会社サイトのデザインの決まりごとを流用できる
- 公開後も文言・画像を差し替えて試せる
- クラウドファンディング本番ページへの案内は、LINEでの順番配信を経てから行う
なぜ広告からMakuakeへ直接飛ばさないのか
まず大前提として、Meta広告(Facebook・Instagramの広告)やTikTok広告から、直接Makuakeのページに飛ばすのは効率が悪いです。理由は3つあります。
- 「迷っている人」を取りこぼす:Makuakeのページは「応援購入する」か「そのまま離れる」かの2択。興味はあるけどまだ決められない人を受け止める場所がない
- もう一度広告を届けるのが難しい:Makuakeのページには、訪問した人を記録する仕組み(FacebookやTikTokの計測タグ)を置けないため、一度来た人にもう一度広告を出すのが困難
- 事前に関心を育てた人のほうが支援率が高い:過去のクラウドファンディングの分析では、事前にメールマガジンやLINEで情報を受け取っていた人の支援率は、広告から直接来た人の3〜5倍でした
だから、広告→申込みページ→LINE登録→数日かけた順番配信→Makuake、という流れを挟むのです。一見回りくどく見えますが、最終的な費用対効果はこちらのほうが高くなる場合が多いと考えています。
| 比較項目 | 広告からMakuakeへ直行 | 広告→申込みページ→LINE経由 |
|---|---|---|
| 迷っている人の受け皿 | 無い(支援するか離脱するかの2択) | LINE友だち追加という軽い行動を用意 |
| 再度広告を届ける仕組み | 計測タグを置けず困難 | 自社ページに計測タグを設置できる |
| 支援前に情報を伝える機会 | 広告以外に無い | LINEの順番配信で数日かけて伝えられる |
| Makuakeへ案内する時点 | 広告クリック直後 | 7日目の配信で案内 |
| 制作の手間 | 不要 | 1ページの制作が必要 |
申込みページは5つのかたまりでどう構成するか
申込みページは、以下の5つのかたまりで設計しました。上から順に「目を引く」「悩みを言語化する」「解決像を見せる」「信じられる根拠を出す」「行動してもらう」という役割を割り当てています。
- 最初に目に入る部分:見出し「社長、もう一人で全部やらなくていい。」+ AI社員チャットの実演動画(15秒くり返し)
- 課題のかたまり:中小企業の経営者の悩みトップ3を、図で分かるように表現(リサの調査データを活用)
- 解決のかたまり:AI社員チャットの実演画面(短い動く画像)+ 3つの特徴(担当への自動振り分け・社員ごとの個性・複数の窓口に対応)
- 実績のかたまり:ヒダネ社内での運用実績(12名のAI社員の紹介一覧)
- 申込みのかたまり:LINE友だち追加ボタン(画面下に常に出るボタンも設置)
なぜ申込みボタンを「LINE友だち追加」にするのか
ページの主役となるボタンは、MakuakeへのリンクではなくLINE公式アカウントへの友だち追加です。理由ははっきりしています。
- 配信費用がゼロ:LINEの友だちへのメッセージ送信は、返信の形で送れば無料。メールマガジンのような月額の配信費用がかからない
- 数日かけて理解してもらえる:友だち追加後、7日間にわたって順番にメッセージを送り、「AI社員とは何か」「導入事例」「支援者特典」を段階的に伝えられる
- 読まれる割合が高い:メールマガジンが開かれる割合20%に対し、LINEのメッセージは60%以上。情報が届きやすい
7日目に「Makuakeのページを公開しました!」というメッセージを送り、そこで初めてMakuakeへご案内します。関心が高まった状態で案内できる設計ですが、実際にどれだけ支援につながるかは、商材や時期によって変わる場合があります。
「登録率30%」という目標の根拠は何か
ページ全体の登録率(訪問した人のうちLINE友だち追加した割合)の目標は30%に設定しています。企業向け(BtoB)のページで30%は高い数字ですが、以下の理由で達成できると見ています。
- ボタンを押すハードルが低い(購入ではなくLINE追加のため)
- 広告を出す相手を「AI」「業務効率化」に関心のある人へ絞り込む
- ページ自体に、AI社員チャットを実際に触れる体験を埋め込んでいる
なお、この30%はあくまで設計時の目標値です。商材・広告の当て方・時期によって届かない場合があります。
TikTok/Meta広告の素材3パターンはどう試すか
どれが良いか比べるため(ABテスト)、3パターンの広告素材を準備しています。訴えかける角度をそれぞれ変え、同じ条件で並べて回します。
- パターンA:悩みに訴えかける型「経理も営業も人事も全部ひとり...そんな社長へ」→ つらさへの共感が入口
- パターンB:実演を見せる型AI社員チャットの操作画面を15秒で見せる→ 目新しさで引きつける
- パターンC:数字で訴える型「AI導入率23.4%の中小企業。あなたの会社は?」→ データで危機感をうながす
各パターンを1日1,000円×3日で試し、1クリックあたりの費用が最も低いものに予算を集中する計画です。
| パターン | 訴求の型 | 入口になる感情 | 素材の中身 |
|---|---|---|---|
| A | 悩みに訴えかける | 共感 | 「経理も営業も人事も全部ひとり...そんな社長へ」 |
| B | 実演を見せる | 目新しさ | AI社員チャットの操作画面(15秒) |
| C | 数字で訴える | 危機感 | 「AI導入率23.4%の中小企業。あなたの会社は?」 |
Next.jsの1ページ制作はどれくらいの時間で終わるか
ページの制作自体は極めてシンプルです。Next.js(Webサイト制作用の技術)のapp/lp/page.tsxという1ファイルで完結。Tailwind CSSで、画面の大きさに合わせて自動で整うようにしています。画像はWebPという軽い形式で圧縮し、最初の大きな画像が表示されるまでの時間を1.5秒以内に抑えました。
制作にかかる時間は約半日。会社サイトで作ってあるデザインの決まりごと(色・書体・部品)をそのまま使うので、新しく作るデザインは最小限です。集客の施策は「速さ」が命。思いついたらすぐ作り、すぐ試し、すぐ直す。これがWeb集客の基本です。
よくある質問
クラウドファンディングの事前集客に申込みページは必要ですか?
広告を使って集客するなら、用意しておいたほうがよい場合が多いです。広告からMakuakeへ直行すると、迷っている人を受け止める場所が無く、計測タグも置けないため再度広告を届けるのが難しくなります。広告を使わず既存のファンだけで回す場合は、必ずしも要りません。
LINEとメールマガジンはどちらが向いていますか?
事前集客ではLINEのほうが向いています。メールマガジンに比べてメッセージが読まれる割合が高く、返信の形で送れば配信費用もかかりません。既にメールマガジンの読者資産が大きい企業では、判断が変わる場合があります。
登録率30%に届かないときは何を見直しますか?
最初に見直すのは広告の当て方です。「AI」「業務効率化」に関心のある人へ絞り込めているかを確認し、次にページの最初に目に入る部分(見出しと15秒の実演動画)を差し替えます。ボタンの位置と表示速度(1.5秒以内)も併せて点検します。
Makuakeへはいつ案内すればよいですか?
LINE友だち追加から7日目に案内します。7日間の順番配信で「AI社員とは何か」「導入事例」「支援者特典」を伝えたうえで公開を知らせるため、案内した時点で関心が高まっている状態を作れます。
まとめ
広告→申込みページ→LINE登録→Makuakeという流れは、遠回りに見えて支援につながりやすい設計です。申込みページは5つのかたまりで組み、ボタンはLINE友だち追加に一本化し、広告素材は3パターンを同じ条件で並べて比べる。制作はNext.jsの1ファイル・約半日で終わるので、作ってから試して直すほうが早く進みます。
ソウ部長のクラウドファンディング戦略の記事と合わせて読んでいただくと、戦略→集客→制作の全体像がつかめるはずです。マコトのLINE自動応答の記事も、LINE側の技術的な裏側として参考になります。




