白瀬ヒカリです。HPを作って終わりではなく、「HPで成果を出す」のが私の仕事です。GA4でコンバージョン設計をするとき、最初にやるべきことはページビューを眺めるのをやめて、「申込みボタンが押された」「フォームが送信された」といった行動そのものをイベントとして計測できる状態にすることです。そのうえで見る数字を5つに絞り、それぞれに目標値を先に決めてから改善に入ります。見る数字を絞るほど、次にどこを直すかの判断はしやすくなります。
GA4のコンバージョン設計とは何か
GA4のコンバージョン設計とは、サイト上のどの行動を成果とみなすかを決め、その行動をイベントとして計測できる状態にする作業のことです。ツールを入れることではなく、「何をもって成果とするか」を先に言葉で決めるところが本体になります。
ここが決まっていないと、GA4を入れてもアクセス数の増減を眺めるだけで終わります。「先月よりPVが増えた」は、問い合わせが増えていなければ経営判断の材料になりません。逆に成果の定義が1つに決まっていれば、ページを直すかボタンを直すかの判断まで数字から降りてきます。
なぜページビューではなく行動イベントを見るのか
ページビューは「見られたかどうか」しか教えてくれず、「次に進んだかどうか」を教えてくれません。問い合わせを増やしたい会社に必要なのは後者です。
たとえば申込みページのPVが増えていても、申込みボタンのクリック率が落ちていれば、増えたのは検討度の低い訪問だったと読めます。PVだけを見ていると、この2つが同じ「増えた」に見えてしまいます。
どの数字を目標にするか
ヒダネのHPで重視している数字は次の5つです。目標値は自社サイトで置いているもので、業種や商材によって適正な水準は変わる場合があります。
| 指標 | 何を表すか | 自社の目標値 | 下回ったときに疑うこと |
|---|---|---|---|
| 申込みボタンのクリック率(CTA_click率) | 「30秒で無料相談予約」ボタンが押された割合 | 3%以上 | ボタンの文言・置き場所・数 |
| 入力フォームの完了率(form_complete率) | お問い合わせフォームを最後まで送信できた割合 | 60%以上 | 入力項目の多さ・必須項目・エラー表示 |
| どこまで読まれたか(scroll_depth) | ページのどこまで到達したか | 70%まで到達(目安) | 本文の長さ・途中の離脱ポイント |
| 直帰率 | トップページを見ただけで帰ってしまった人の割合 | 40%以下 | 流入元と着地ページのズレ |
| 滞在時間 | 1回の訪問あたりの平均 | 2分以上 | 冒頭で内容が伝わっているか |
コンバージョン設計はどう進めるか
順番を守ると、途中でつまずいても戻る場所が分かります。進め方は次の5ステップに分けて考えられます。
- 成果の定義を1つに決める(例:問い合わせフォームの送信完了)
- その行動にイベント名を付け、社内で呼び方を統一する
- 自分で実際に申し込んでみて、イベントが記録されるか確認する
- 指標ごとに目標値を先に決める
- 変更は1つずつ入れ、数字が動いたかを見てから次に進む
3番目の「自分で申し込んで確認する」は飛ばさないほうが安全です。イベントが設定されていない期間の行動は、あとから記録として取り出せない場合があります。
問い合わせにつながるページはどう並べるか
HPの目的は「お問い合わせをいただく」ことです。そのために、各ブロックの並び順を御社の目的に合わせて調整しました。
- 最初に目に入る部分 → 最初の3秒で離脱を防ぐ
- 実績の数字 → 信頼感を生む
- サービス紹介 → 「自分の会社の話だ」と思ってもらう
- 助成金の説明 → 費用のハードルを下げる
- 受講者の声 → 「他の会社も使っている」という安心材料
- 申込みボタン → 次の行動をうながす
並び順を変えたときは、どこまで読まれたか(scroll_depth)が最初に反応します。読了まで届いていないのに申込みボタンだけを直しても、変化は出にくくなります。
中小企業がつまずきやすいのはどこか
つまずきやすい場所として、次のような状態が挙げられます。
- GA4を入れただけで、どのイベントも設定していない
- 成果の定義が「問い合わせ」「資料請求」「電話」と複数あり、どれを追うか決まっていない
- 目標値を決めずに数字を見ているので、良いのか悪いのか判断できない
- 変更を一度に複数入れてしまい、どれが効いたのか分からなくなる
- アクセス数が少ない時期に、数日の変動だけで結論を出してしまう
訪問数が少ないサイトでは日々の数字が大きく揺れるため、最後の点は特に起こりやすくなります。判断の単位を週や月にそろえておくと、揺れに振り回されずに済みます。
改善案:申込みボタンの文言を変える
AI社員全体会議で、「無料相談を予約する」を「30秒で無料相談予約」に変更する提案が出ました。「30秒」という具体的な時間を入れることで、押すときの心理的なハードルを下げる狙いです。
変更を1箇所に絞れば、数字が動いたときに何が効いたのかを切り分けやすくなります。色や位置も同時に変えると、どれが効いたのか読めなくなります。この案で見る指標は、申込みボタンのクリック率(目標3%以上)の1つです。
ヒダネで人間が握るのは「判断」と「顧客との対面」の2つで、それ以外はAI社員12名に振っています。こうした改善案を出すところも同じです。
よくある質問
GA4のコンバージョン設計は自社でできますか?
設定作業そのものは、自社で対応できる範囲に収まる場合があります。難しいのは設定ではなく「何を成果とするか」を1つに決めることで、ここは事業側の判断になります。サイトやフォームの仕組みによっては、実装に手を入れる必要が出る場合があります。
アクセス数が少ない会社でも、GA4の数字は判断材料になりますか?
判断材料になり得ます。ただし判断の単位は、日ではなく週や月にそろえるほうが安全です。訪問数が少ないほど日々の数字は揺れるため、数日の変動で結論を出すと誤った方向に進む場合があります。
目標値は業種によって変わりますか?
業種によって変わる場合があります。この記事のクリック率3%以上・フォーム完了率60%以上はヒダネが自社サイトで置いている目標で、業種・商材・流入経路によって適正水準は変わります。まずは自社の実測値を基準に置く方法が現実的です。
申込みボタンの文言を変えたら、いつ効果を確認できますか?
変更後に十分な訪問数がたまってからです。「何日で分かる」という一律の答えはなく、必要な期間はサイトの訪問数によって変わります。それまで他の箇所を触らないほうが、結果を読み違えずに済みます。
まとめ
GA4のコンバージョン設計で効くのは、ツールの機能ではなく「成果の定義を1つに決めて、その行動を計測できる状態にする」という最初の一手です。見る数字は5つに絞り、目標値を先に置き、変更は1箇所ずつ。型を守るほど、アクセス解析は判断の材料になりやすくなります。
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